2017年 01月 16日

野武士の剣

今般、愛竿DeerCreekのコルクグリップを交換しました。
このモデルのコルクはあまり良いものを使用していないので、もともとコルクの割れ目をパテで埋めてあるんですが、程なくパテが剥がれてしまい、いつしかそこが黒く変色(カビ?)して見るも無惨な状態になってしまいました。
そこでウッドエポキシを充填して対応していたのですが、時間が経っても色が全然馴染まなくて異様な雰囲気のグリップになりました。
加えて、コルクがブランクから浮いてきて(内部で接着剤が剥がれた様子)、握るとブニブニして気持ち悪いことこの上ない。
ツーハンドロッドのグリップ交換をプロに頼むとおそらく結構な費用がかかるのでしょう・・・一念発起、年末年始にかけて、DIYでコルク交換をしました。
写真はキレイに見えるように撮影しましたので、お!良いじゃん!と思われるかもしれませんが、実物はけっこう突っ込みどころあります。
私の釣り道具はこんなのばっかりです(笑)。
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作業の模様は長ったらしいので畳みます。




【1.簡易旋盤製作】
先ずは、簡易旋盤っぽいものを作ることから始めました。
電動ドリルを動力とするもので、Youtube等で結構紹介されています。
材料は、ドリルを土台に固定するドリルスタンド(1500円)、端材(50円〜)、8mmの長ネジ(30円/本)、ナット(3円/本)、内径8mmのベアリング(300円)、 戸車(77円/円)、ダイソーCクランプ(100円/個)・・・Cクランプ以外はVIVAホームに何度も通って揃えました。
2時間店内をウロウロした挙げ句、買い物総額が97円とかいう時もあり、正直、ここまでで情熱エネルギーを随分使ってしまいました(笑)
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【2.コルク成型】

今回使用するコルクは専用品のコルクリングではありません。
グレードの高いものは200〜300円/個もするようで、これをロッド1本当たり20個近く使用します。
私が、これから行おうとする方法は正攻法ではないと思いますので、もしかしたら大失敗するかも知れません。
とても、そんなもの使えません・・・。
ホームセンターで30mm×200mmコルク円柱(93円/1本)を買い、これを活用することにしました。
集積コルクというのでしょうか?風合いは天然コルクに劣るものの、人工物だけに何処を切っても金太郎。
スが入る余地も無さそうです。3本程使いますのでコルク代はロッド1本あたり約300円也(笑)。
もう、オマエのような貧乏臭い男は、フライフィッシングを趣味にするのヤメロや!という声が聞こえてきそうです・・・。
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このコルク円柱を半分に切断し、円柱の中心にドリルを使って穴を開けます。
購入したドリルガイド(1600円・・・なんか納得いかない金額)を使って垂直に穴を開けますが、コレがかなり難しいです。 先ずはキリ状のドリルで下穴を開け、ドリルの4mm→6mm→8mmと徐々に穴を拡げていきます。 穴を8mmまで拡げたら径8mmの長ネジに通して、両端からワッシャー(外歯)とナットで固定します。これを作成した簡易旋盤にセット、ちなみに電動ドリルの反対側は内径8mmのベアリングで回転を受けます。
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いよいよ削り始めます。元のグリップの太さ・形をメモしておいてフリーハンドです。
鉄製のヤスリで大まかに削ってから、#100の耐水ペーパーで回転するコルクを挟み込むように削ります。
手応え的に集積コルクは割と固いのかもしれませんね。
段々ソレっぽく成型されていくコルク柱にワクワク感は高まりますが、円柱の真ん中に穴が空いていないとグワングワンと偏心して回転してしまい、コルク柱を真円に修正するのが極めて難しくなります。
『どうせ削るんだから少し位、穴がズレても良いベ』と妥協してしまったのが後の仕上がりに影響することになりました(泣)。・・・二度とやらないとは思いますが、次の機会があるならここを改善したいと思います・・・『コルクの真ん中に垂直に穴を開ける』。
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【3.グリップ毟り取り】

最終形より若干太く&長く成型したコルク柱を今度はブランクに接着しますが、その前に元のコルクを剥がす必要があります(当たり前だけど)。
但し、リア及びフロントグリップの前後についているラバーコルクは全然元気ですので是非それは生かしたい。
3号のPEラインをラバーコルク(残したい方)と通常コルク(剥がしたい方)の境目に食い込ませた後、中のブランクに達するまでキコキコして切り離しました(写真ありませんが、伝われば良いのですが?)。
カッターではデンジャラス過ぎますからね。
この作業のあと、通常コルクを『剥がす』というかラジオペンチで『毟り取』ります。
幸か不幸か接着剤が万遍なく塗布されていないので、割と簡単に取れてしまいました。
どこの国の工場で作ったものか知りませんが御礼を言わねばなりません。『雑に接着してくれて、どうもアリガトウ!』
そして、もう後戻りできません(汗)。
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【4.内径拡大】

グリップを大規模に交換する場合、ブランクからガイドやワインディングチェック等を取り外して行うのが通常なのでしょうが、今回はそれをしません。・・・というか、私そんな事できません(笑)。
コルク円柱を縦に真っ二つに切り離して、再度ブランクを両側から挟むようにして接着します。
1〜2個のコルクリングを局所的に交換する場合の方法を大規模にやっちゃおうという訳です。

先ずはコルク柱の内径を拡大します。
前述2の段階でコルク柱には8mmの穴が空いていますが、それではブランク径に対して小さすぎます。
露出したブランク径をノギスで計測すると12mm〜13mm程度なので、ピッタリはまるようにコルクの穴を拡大していきます。
8mmの穴に鉄工用テーパーリーマー(写真参照 800円)を突っ込んでグリグリやって穴の入り口を拡げて→10mmのドリルで穴を拡大、同工程で12mmの穴に拡大しました。

その後、要らない渓流竿のブランク(ゴルフグリップのシャフトでも)にらせん状に紙ヤスリ(#100)を巻いたもの(コルクリーマーと云うらしい 写真参照)を電動ドリルにセットし、 拡げた穴に突っ込んで微調整しました。ここでも、穴が円柱の中心から大きくズレないように注意を払う必要がありますが、やっぱり結構ズレました。
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【5.接着】

内径12m程度に拡大したコルク柱を、良く切れるカッターでスカッと唐竹割りにします。
コルクを水に漬けておくと切れやすそうですが、ここまでの作業でコルクが薄くなっていますのでそのままで平気です。ブランクに仮組してみて内径の削りが足りないトコロは再度コルクリーマーで研磨して微調整します。
前述2の段階で少し長めに作ってあるので、ちょっとずつヤスリで削って長さを調整します。
リールシートなど余分なトコロをマスキングテープで養生した後、いよいよ90分硬化タイプのエポキシ(700円)を用いて接着していきます。エポキシは5分硬化などの速乾性のものでなく、硬化までに少し余裕をもったタイプが良いとのことです。
エポキシはタップリ使って・・・切れ目からはみ出しまくりでしたが・・・ビニールテープ+ゼムクリップ(大)でガッチリ圧着し、24時間放置。
次の日、はみ出したエポキシがグリップ表面で固まって棍棒のようになりました。鮭の頭をぶっ叩くのに使えそうな程。
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【6.再成形】

鉄製のヤスリで表面のエポキシを削り取った後、簡易旋盤にセットして、最終形をイメージしながら耐水ペーパー#100→#240→#300→#400→#600で再成形しつつ表面を平滑にします。
パッと見は分からないかもしれませんが、前述したとおり結局最後まで偏心が解消せずに仕上がりが若干いびつになってしまいました。
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【7.ウレタンニス塗布】

グリップが痩せたり、欠けたり、汚れたりすることが無いようにテカテカにしたい!と常日頃思って居ました。
まるでバイオリンのような光沢を放つMeiserのリアグリップのように・・・。
ここでロッドビルディングをしている友人に助言を仰いでから次の作業にかかります。
テカテカグリップにするためには、油性ウレタンニス+ペイント薄め液を塗布すること、塗布→24時間乾燥→ペーパーがけ(#400)を3セット・・・とのこと。
さっそく油性ウレタンニス(1000円/250ml)を購入してきて簡易旋盤にセット、中速で回転させながらスポンジ刷毛(75円/1本)でスーッとウレタンニスを薄く塗ります。スゴく面白い作業ですが塗装面が僅かなので1分で終わってしまいました(笑)。 使うニスもほんの少しです・・・もっと小さい瓶のヤツにすれば良かった!
塗布後はニスが垂れないように簡易旋盤でそのまま暫く低速で回転させておき、その後外して24時間乾燥・・・。はやる気持ちをグッと堪えて24時間後、簡易旋盤にセットして#400番の耐水ペーパーでサ〜っと軽く研磨、固くしぼったウェスで拭いた後に、再度塗装・・・。
おっ!2回目くらいから少し艶が出始めました。
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とにかくニスはなるべく薄く塗り、きっちり乾燥を待つのがキモのようです。厚塗り厳禁。
これを繰り返すこと計5~6回・・・テッカテカになりました。やっほ〜い!
コルク模様(つなぎ目の線までも)が強調されて、なんかイイ感じ。
もはやコルクの質感は少しもありませんが(汗)。
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by andieloop | 2017-01-16 20:48 | 釣具 | Comments(6)
Commented by slowfishing-yun at 2017-01-16 21:20
お疲れ様です。
感心するぐらい、すごく頑張りましたね。
ここまでやられるとは、思ってもいませんでした・・・笑。
ところで、頑張った人へのご褒美は?
Commented by andieloop at 2017-01-17 06:54
Yunさん、おはようございます!
サワヤカサワデーさんから色々教わって、何とかここまで出来ましたが、やっぱり素人仕事の面影はそれなりに残ります。ただし愛着は倍増してしまいました(笑)
ご褒美ですかーマイザーを始め欲しいモノは山ほどありますが、必要なモノと言えばそうですねー、本流&ツーハンドロッドでキチンと魚が掬えるような大きなインスタネットが欲しいです。…作る?無理?(笑)
Commented by sawayakasawade at 2017-01-17 08:17
andieloopさん
おはようございます。
大した事も教えられず恐縮です。
無い道具は自分で作ってしまうとは凄すぎです。
本当に関心してしまいました。
それにとても始めてには見えませんよ。僕が作った初めてロッドは見れたものではありませんでしたw
今度一からロッドを組んでみてはいかがでしょうか?
Commented by andieloop at 2017-01-17 18:55
サワヤカサワデーさん、こんばんは!
いえいえ、助言がなければ水性ウレタンニスを使うところでしたし、重ね塗りの前に研磨するのも省いていたところです。ありがとうございました。
グリップの反対側から回転させたので回転が安定せず、多少波打ってしまいましたが、実に楽しい作業でした。
ロッドビルディング、かなり興味がわきましたが、ハマるとヤバそうです(笑)
Commented by matsu at 2017-02-16 00:15 x
こんにちは、初めまして。自分もTFOのスイッチ#9を愛用してますので、グリップ交換の記事を興味深く拝見しました。自分の場合、使い始めてすぐにコルクの質が悪いのに気が付き、アクリル絵画用のマット系ヴァーニッシュを塗りました。マット系といっても半光沢といった感じですが、3年ほど使ってますけどコルク部分はうまく保護されているようですね。
ところで電動ドリルをセットした装置は素晴らしいです。これだったら、自分でハンドル部分の制作が可能ですね。マイザーのロッドでビルダーズ・キットが販売されてまして、確かレディメードの半分以下の値段だったと思います。トライなさってみては如何でしょうか。ラッピングとエポキシの塗りは慣れれば難しくないみたいですよ。また寄らせて頂きます。ではでは
Commented by andieloop at 2017-02-17 07:37
matsuさん、こんにちは!
こちらこそ、はじめまして!と言っても、matsuさんのブログはYunさんブログ経由でしょっちゅう拝見しております(笑)。
アクリル絵画用のヴァーニッシュですか!マイザーのテカテカグリップもアクリル製の塗料だと聞きましたので、なるほど、このような目的に適した塗料なんでしょうね。
マイザーのキットも販売されているのですか!?驚きました。
でも、私がそれを組み立てても「マイザー」とは全く随分かけ離れた「まいざあ」になりそうです(笑)。
ともあれこれでグリップが補強されましたので、当面、周囲の友人の殆どがマイザーオーナーという状況の中、小汚いロッド(=野武士の剣)を振るう事になりそうです。
matsuさん、これからもどうぞ宜しくお願いします。


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